【三菱 色鉛筆 880】と【トンボ色鉛筆 NQ】。
同じ色数、同じ価格帯の二大色鉛筆に、
実際どのような違いがあるのか、徹底的に比較してみました。
外観
パッケージ
三菱880
三菱880 のパッケージです。
キャラクター物のしか持ってなくてすみません……。
トンボ NQ
容器にさほど違いはありません。
どちらも同じような平べったい缶で、色鉛筆が取り出しやすく使いやすいです。
色鉛筆本体
三菱 880
ゴシック体のロゴが際立つどっしりしたイメージ。金の箔押し加工です。
トンボ NQ
カラーチャートと発色について
どちらも全36色ですが、色の種類や発色にかなり違いがあります。
三菱 880
芯が硬く、塗り込みには筆圧が必要です。
塗りつぶした時に微妙なムラができやすい気がします。
塗りこんだ後の発色は非常に濃くて鮮やかです。色によっては高級色鉛筆にひけをとらない発色かもしれません。
塗った後の表面のテカりが強いです。
三菱 880に特徴的な色は
せいじいろ、えめらるどいろ、こいあかむらさき、たまごいろ、はいいろ、つちいろ
彩度の高い色が多い一方で茶系統の色も充実しています。
うすだいだいがトンボNQと比べて薄い色です。
トンボ NQ
発色は鮮やかですが、どの色もやや白が混ざったような感じの落ち着いた色あいです。
三菱と芯の硬さにさほど違いはないように思いますが、なぜかこちらの方が塗りつぶしがやりやすくスルスルとムラなく塗れます。
やや粉っぽく、紙を汚しやすい傾向があります。
トンボNQ で特徴的な色は
うすあお、あおみどり、なんどいろ、ふじいろ、ふじむらさき、すみれいろ
同系統の色のバリエーションが豊富で、風景や植物など実物のスケッチに特化した色構成のような気がします。
特に青紫のバリエーションが多いです。
うすだいだいが三菱880と比べて濃い色です。
ケシゴム耐性
ケシゴムかけの効果についてはあまり違いはないです。
どちらも薄くなりますし、完全には消えません。
あえていえば、三菱880の方が色が伸びて横に広がる傾向があります。
重ね塗り
画像ではわかりにくいですがトンボNQの方がわずかに上に色がのりやすいです。
各種ぼかし
綿棒でこすったぼかし、ホルベインメルツを使ったぼかし、コピックの0番を使ったぼかし。
画像ではわかりにくいですが、トンボNQの方がやや溶剤に溶けやすいです。
実際に絵を描いてみる
三菱880
彩度が高く明るい発色が綺麗で、メリハリが効きます。重ね塗りは難しく、一度塗った上から白っぽい色でを加えていく……ような描き方はほぼ不可能です。
塗りつぶしが難しいためか、ややボケ味のある柔らかい質感になります。が、発色のコントラストの強さでパッと見の印象ではシャープな画面に見えるかも。
塗りこめばとても綺麗に仕上がるのですが、ここまで塗るのには相当な筆圧が必要で、ちょっと手が疲れます。
色選びは難しいですが、意外な色で面白い効果が出せて面白いです。今回はせいじいろが活躍しました。
トンボNQ
こちらも発色は鮮やかですが、少し落ち着いた仕上がりになります。重ね塗りが少しできるので、上からハイライトの線を描き込むこともある程度できます。そのおかげか、三菱880に比べて重厚な画面になる気がします。
今回はバラの花を描きましたが、緑色の多さが使いやすかったです。
まとめ
思っていたよりもそれぞれの色鉛筆に特徴があって面白かったです。
今回は画用紙に描きましたが、表面がツルツルのケント紙などではまた描き味が違ってきそうなので
いつかその点についても検証したいです。